Google AI Overviews ・ AI モード広告とは? - 仕組みと出稿方法を完全解説
AI Overviews 広告とは専用メニューではなく既存キャンペーンが AI 検索面へ自動配信される仕組みである。表示位置・対象地域・日本での提供状況・出稿準備のチェックリストまで網羅的に解説した。

Google AI Overviews ・ AI モード広告とは?仕組みと出稿方法を完全解説
AI Overviews の上部・下部には、既存の検索・ショッピング・ P-MAX などのキャンペーンの広告が自動的に表示対象になる。 AI Overviews 専用のキャンペーン作成や表示位置の指定はできない。 AI Overviews 内部の広告は2026年8月時点で英語・指定12か国が対象であり、日本は含まれていない。 AI モードは日本語で利用可能だが、 AI モード広告の新フォーマットはテスト・段階展開中で、日本向けの提供条件は別途確認が必要である。つまりAI Overviews 広告とは、新しい広告メニューではなく、既存の Google 広告が AI 検索面へ自動的に広がる仕組みである。
AI Overviews ( AI による概要)広告とは
AI Overviews とは、 Google 検索結果ページの上部に Gemini が生成する AI 要約を表示する機能である。2024年5月に米国で提供が始まり、2024年8月に日本語対応した。検索結果ページを離れずに、複雑な質問への概要を確認できる。
広告はこの AI 要約の「上部」「下部」、そして一部の国では「内部」に表示される。ただし、AI Overviews 専用の広告メニューは存在しない。ここが最も誤解されやすい点だろう。
検索結果ページに新しい「棚」が一つ増えたが、そこに並ぶ商品は既存の倉庫(検索キャンペーン、ショッピングキャンペーン、 P-MAX など)から自動的に選ばれる。広告主が新しい倉庫を建てたり、棚の位置を指名したりする仕組みではない。
「専用メニューがないなら何もしなくてよいのか」という疑問が浮かぶ。答えは No だ。自動的に選ばれるからこそ、選ばれるための土台(キャンペーン設定、広告アセット、商品フィード、コンバージョン計測)を整えておく必要がある。具体的な整備方法は後のセクションで扱う。
AI Overviews の広告仕様は、Google 公式ヘルプ「広告と AI による概要について」が一次情報となる。
AI Overviews と AI モードの違い
AI Overviews と AI モードはどちらも Gemini を活用した検索体験だが、位置づけが異なる。 AI Overviews は従来の検索結果ページ上に出現する要約であり、 AI モードは専用の対話型インターフェースでフォローアップ質問を重ねられる別画面である。
もう一つ混同されやすいのが、「ユーザーが見る画面」と「広告主が使う配信の仕組み」の区別である。
AI Overviews と AI モードは「検索する人が使う画面」、 AI Max と P-MAX は「広告を出す人が使うツール」。この区別を持っておくと、以降の仕様説明が整理しやすい。

AI Overviews の広告はどこに表示される?
AI Overviews 周辺の広告は「上部」「下部」「内部」の3か所に表示される可能性がある。ただし、対象地域・対象キャンペーン・広告タイプは位置ごとに異なる。
上部・下部の広告と対象地域
AI Overviews の上部・下部に表示される広告は、 AI Overviews が利用できる200以上の地域が対象であり、日本もこの範囲に含まれると整理できる。対象キャンペーンは検索キャンペーン、ショッピングキャンペーン、 P-MAX キャンペーン、アプリキャンペーンで、既存のテキスト広告、ショッピング広告、ローカル広告、アプリ広告が表示対象になり得る(Google 公式ヘルプ)。
上部と下部のどちらに表示するかを広告主が指定することはできない。配信は自動的に決定される。
AI Overviews 内部の広告は何が違う?
AI Overviews 内部の広告とは、 AI 要約テキストの中に広告が挿入される形式だ。上部・下部の広告とは対象範囲が大きく異なる。
Google 公式ヘルプによると、2026年8月時点の対象は以下のとおりである。
- 言語は英語のみ
- デバイスはモバイルおよび PC
- 対象国はオーストラリア、カナダ、インド、インドネシア、ケニア、マレーシア、ニュージーランド、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、シンガポール、米国の12か国
日本はこのリストに含まれていない。
内部広告の選定には、ユーザーの検索語句に加え、 AI Overviews が生成した内容の両方が考慮される。対象キャンペーンは検索・ショッピング・ P-MAX キャンペーンのテキスト広告とショッピング広告に限られ、上部・下部で対象になるアプリ広告やローカル広告は含まれない。
アダルト、アルコール、ギャンブル、金融、ヘルスケア、政治などセンシティブカテゴリに該当する広告は AI Overviews 内部に表示されない。対象カテゴリの範囲は変わりうるため、公式ヘルプでの確認が望ましい。
レポート上の扱い
AI Overviews 内に表示された広告のインプレッションやクリックは、レポート上「上部広告( Top Ads )」として記録される。 AI Overviews 内の広告だけを切り出すセグメント別レポートは、2026年8月時点で提供されていない(Google 公式ヘルプ)。
AI Overviews 経由の成果だけを分離して評価する公式手段は、現時点では存在しない。
AI Overviews 広告の仕組み:広告はどのように選ばれるのか
AI Overviews 内の広告は、単純なキーワード一致ではなく、検索語句と AI が生成した回答の両方を考慮して選ばれる。従来の検索広告と比べ、選定ロジックの入力が一つ増えている。これが最大の違いだ。
広告が選ばれる流れを5ステップで整理する。
- ユーザーが複雑な質問を検索する(例:「プールの水が緑色になった原因と対処法」)
- Google が AI Overviews を生成する(藻の繁殖原因、水質調整の手順などを要約)
- 検索語句と AI Overviews の内容から、ユーザーの意図や商業性を判断する
- 既存キャンペーンの広告候補をオークションで評価する(広告ランク、入札額、広告の関連性などが考慮される)
- 検索語句と AI 回答の双方に関連する広告を表示する(上記の例では「プール用掃除機」の広告)

注目すべきは、「プールの水が緑色」という検索語句自体には明確な購買意図がないことだ。しかし、 AI が「掃除・水質改善が次のステップになる」と判断した結果、掃除機の広告が関連性ありとされる。
「ならばキーワード設定をどこまで広げるべきか」と考えるかもしれない。だが、広告主が AI Overviews の内容を直接制御することはできない。広告主にできるのは、広告アセット(見出し・説明文)をユーザーの疑問に対する回答として整備し、商品フィードやランディングページの関連性を高めておくことだ。 AI が「この広告は回答の流れに合致する」と判断する材料を増やす、という発想になる(Google Ads & Commerce Blog)。
AI Overviews に広告を出稿する方法(実務チェックリスト)
「出稿方法」と言っても、新しいキャンペーンを作成するのではない。既存キャンペーンが AI Overviews の表示対象になるための基盤整備が実務の中心だ。
既存キャンペーンの確認と整備
以下のチェックリストを順に確認する。
- キャンペーンが有効で配信中か。検索・ショッピング・ P-MAX のいずれかが動いていることが前提になる
- コンバージョンアクションが正しく設定されているか。強化されたコンバージョン( Enhanced Conversions )の導入も検討する
- スマート自動入札(目標 CPA 、目標 ROAS 、コンバージョン数の最大化など)を使っているか。手動入札では AI による入札調整の余地が限られる
- レスポンシブ検索広告( RSA )の見出し・説明文が、ユーザーの疑問への回答になっているか。「◯◯の選び方」「◯◯の比較ポイント」など、情報探索段階の検索意図にも響く表現を含める
- Merchant Center の商品説明、価格、画像、送料・返品情報が最新か。商品フィードが陳腐化していると、関連性の評価で不利になる
- 広告で訴求する内容と LP の内容が一致しているか。検索意図に対して LP が十分な回答を提供しているかを確認する
これらは「 AI Overviews 対策」として特別なことではなく、 Google 広告の品質改善の基本でもある。その基本が AI 検索面への自動配信の土台になる(Google 公式ヘルプ)。
AI Max for Search の活用を検討する
AI Max は新しいキャンペーンタイプではなく、既存の検索キャンペーンに追加する最適化レイヤーである。キャンペーン設定画面から有効化でき、以下の機能が使えるようになる(Google 公式ヘルプ)。
- インテント マッチ:登録キーワードを超えた検索意図への拡張
- キーワードレス ターゲティング:キーワードを登録せず、広告アセットや LP の内容から関連検索語句を自動で検出
- テキストカスタマイズ:検索の流れに合わせた見出し・説明文の自動生成
- 最終ページ URL 拡張( Final URL expansion ):登録 LP 以外の関連ページへの自動遷移
これらの機能はコンバージョンベースのスマート自動入札が前提だ。有効化の際は、ブランド除外や LP 除外の設定を併せて確認し、意図しない拡張を防ぐ必要がある。
検索語句レポートとアセットレポートで効果を確認する
AI Max 有効時は、以下のレポートで運用状況を確認する(Google 公式ヘルプ)。
- 検索語句レポート:どの検索語句で広告が表示・クリックされたか
- キーワードレポート:登録キーワードと AI Max 経由の拡張語句の対比
- アセットレポート:見出し・説明文の組み合わせごとのパフォーマンス
- ランディングページレポート: LP 別のコンバージョン状況
不適切な検索語句や LP が検出された場合は、除外キーワードや LP 除外で対処する。 AI Overviews 内だけの成果を分離できない以上、全体の KPI ( CPA 、 ROAS 、コンバージョン数)で運用を判断するのが現実的だ。
AI Max は AI Overviews 広告に必須なのか?
必須ではない。 AI Max を有効化していなくても、既存の検索・ショッピング・ P-MAX キャンペーンの広告は AI Overviews の上部・下部に表示される可能性がある。 AI Max は AI Overviews への掲載を保証するツールでもない。
ではなぜ検討するのか。
AI Overviews が表示されるクエリは、「プールの水が緑色になった原因と対処法」のように、従来の短いキーワードでは捕捉しにくい長文・複合的な検索意図を持つことが多い。 AI Max のインテント マッチやキーワードレス ターゲティングは、こうした検索語句への対応機会を広げる仕組みである(Google Ads & Commerce Blog)。
ただし拡張は万能ではない。ブランド除外設定を怠ると競合ブランド名の検索に広告が出る恐れがあり、 LP 除外が不十分だと無関係なページへ誘導されることもある。 AI Max の有効化は「スイッチを入れて放置」ではなく、除外設定とレポート確認をセットで管理する運用だ(Google 公式ヘルプ)。
日本での提供状況(2026年8月時点)
以下は2026年8月10日時点の Google 公式情報に基づく整理である。この分野は仕様変更が頻繁に発生するため、最新の状況は公式ヘルプで都度確認されたい。
日本の広告主にとっての現実を整理する。 AI Overviews の上部・下部への広告表示はすでに関係している。一方、 AI Overviews 内部への広告挿入や AI モードの新広告フォーマットの日本向けセルフサーブ提供は、2026年8月時点で確認できていない。「日本ではまだ何も起きていない」は不正確だ。「一部はすでに動いているが、すべてが使えるわけではない」が正確な状態である(Google 公式ヘルプ)。
AI モード広告の新フォーマット
Google は2026年に入り、 AI モード向けの新しい広告フォーマットを発表・テストしている。以下はGoogle Ads & Commerce Blog (2026年5月20日)およびGoogle 公式ヘルプに基づく紹介であり、日本で提供済みであることを意味しない。
Conversational Discovery ads
ユーザーの具体的な質問に対し、広告が回答として表示される形式である。 Gemini が AI モードでの検索の流れを分析し、合致するクリエイティブを動的に構成する。従来のテキスト広告とは異なり、会話の流れの中に広告が組み込まれる。「 Sponsored 」ラベルは維持される。
Highlighted Answers
AI モードがユーザーの質問に対して推薦リスト(「おすすめの◯◯」など)を表示する際、関連性の高い広告がそのリスト内で強調表示される形式だ。検索意図に合致した商品・サービスが、 AI の推薦と並ぶ位置に出る。
AI-powered Shopping ads
Gemini が商品フィードから関連商品を自動抽出し、「なぜこの商品がユーザーの質問に適しているのか」を AI 生成の説明文で表示する形式である。 Merchant Center の商品フィード(商品説明、価格、画像、送料・返品情報)の充実度が、表示品質に直結すると考えられる。
日本の広告主は何を準備すべきか
日本向けのセルフサーブ提供条件が公式に明確化されたとは、2026年8月時点で確認できない。しかし、これらのフォーマットが今後グローバルに展開される可能性を踏まえると、以下の準備は合理的だ。
- RSA の見出し・説明文のバリエーションを増やし、多様な検索意図に対応できるようにする
- Merchant Center の商品説明を詳細かつ正確に記述する。 AI-powered Shopping ads の基盤にもなり得る
- Enhanced Conversions の導入や GA4との連携を整備する
- Google Ads & Commerce Blog や Google 広告ヘルプの更新を定期的に確認する
Google の調査では、 AI モード利用者の75%が「より速く、より自信を持って意思決定できる」と回答したとされる。ただしこれはグローバルの調査結果であり、日本市場のデータとしては扱えない(Google Ads & Commerce Blog)。
測定と運用上の注意点
AI Overviews 広告の成果を測定する方法
AI Overviews 内の広告だけを分離するセグメント別レポートは、2026年8月時点で提供されていない。レポート上は「上部広告( Top Ads )」として集計される(Google 公式ヘルプ)。
実務的な対応としては、複数のレポートを組み合わせて全体像を把握する。
- 検索語句レポートで、 AI Overviews 表示が多い長文・複合クエリへのマッチ状況を確認する
- アセットレポートで、どの見出し・説明文の組み合わせが成果を出しているかを見る(Google 公式ヘルプ)
- ランディングページレポートで、 LP 別のコンバージョン率を確認し、 AI Max 経由の拡張 LP が機能しているか評価する
- GA4で流入経路ごとのユーザー行動を分析し、検索広告全体の傾向変化を捉える
- Google Search Console でオーガニック検索の AI Overviews 表示とクリック傾向を確認する(広告レポートではなく SEO 側の指標)
AI Overviews 単体の貢献度を精密に測定することは現時点で不可能だ。全体の CPA ・ ROAS ・コンバージョン数の推移から間接的に判断するのが現実的な運用方針になる。
広告掲載と SEO ・ LLMO は別の仕組みである
AI Overviews に広告が掲載されることと、 AI Overviews の回答文中で自社コンテンツが引用元として紹介されることは、まったく別の仕組みだ。前者は Google 広告のオークションで決まり、後者は Google の検索アルゴリズム( E-E-A-T 、構造化データ、一次情報の質など)によって決まる。
AI モードでも同様である。 AI モードの回答に自社サイトが引用されること( LLMO ・ AIO 施策)と、 AI モード上に広告が表示されること( Google 広告の配信)は独立した経路だ。 E-E-A-T や構造化データの整備は SEO ・ LLMO 施策として有効だが、それ自体が広告の掲載保証にはならない。

CTR や CVR の改善を事前に約束しない
競合記事には「 AI 検索広告は従来の検索広告より高精度」「先行者利益がある」といった記述がある。しかし、日本市場の AI Overviews 広告に関する CTR ・ CVR ・ CPC の実績データは、公式にも第三者調査としても公表されていない。効果を断定できる段階ではない。
海外参考データ(米国・2026年6月) SE Ranking が米国の商業検索50,032キーワードを AI モードで調査した結果、テキスト広告は商業クエリの29.45%に表示された。 CPC が10ドル以上のキーワードでは表示率53.56%、2ドル未満では24.33%であった(Search Engine Land)。この数値は米国の AI モードに限定された調査であり、日本の AI Overviews 広告に直接適用できるものではない。
期待値は抑えつつ、基盤を整備しておく。過度な投資にも機会損失にもならないバランス点は、そこにある。
よくある質問( FAQ )
AI Overviews 専用の広告メニューはある?
ない。既存の検索・ショッピング・ P-MAX などのキャンペーンが条件を満たせば自動的に表示対象になる。新規の専用キャンペーン作成や申請手続きは不要だ(Google 公式ヘルプ)。
AI Overviews だけをターゲティング、またはオプトアウトできる?
いずれも不可である。 AI Overviews だけを配信先として指定することも、 AI Overviews への広告配信だけを停止することもできない。
AI Overviews 内の広告は日本でも表示される?
AI Overviews の上部・下部の広告は、 AI Overviews が利用できる200以上の地域が対象であり、日本もこの範囲に含まれると整理できる。一方、 AI Overviews 内部の広告は英語・指定12か国が対象であり、2026年8月時点で日本は対象国リストに含まれていない。
AI モード広告は日本でも出稿できる?
AI モード自体は日本語・日本で利用できる(Google 公式ヘルプ)。ただし、 AI モードの新広告フォーマット( Conversational Discovery ads など)はテスト・段階展開中であり、日本向けのセルフサーブ提供条件は公式情報での確認が必要だ。
AI Overviews 広告の成果だけをレポートで確認できる?
AI Overviews 内の広告だけを分離するセグメント別レポートは現時点で提供されていない。レポート上は「上部広告」として集計される。検索語句レポートやアセットレポートで全体的な傾向を確認し、総合的に運用を判断するのが現実的な対応だ。
まとめ: AI Overviews ・ AI モード広告で今やるべきこと
AI Overviews 広告は新しい広告枠ではない。既存の検索・ショッピング・ P-MAX キャンペーンの広告が AI 検索面へ自動的に配信対象になる仕組みだ。
専用のキャンペーン作成、ターゲティング、オプトアウトはいずれも不可である。広告主が直接制御できる範囲は限定的だ。
日本では、 AI Overviews の上部・下部広告はすでに関係している。内部広告や AI モード新フォーマットの日本展開は2026年8月時点で未確認である。
広告主が今できることは基盤の整備だ。コンバージョン計測、スマート自動入札、広告アセットの質、 Merchant Center の商品フィード、 LP の関連性。 AI Max は必須ではないが、複雑な検索意図への対応機会を広げるために検討する価値がある。除外設定とセットで管理する。
効果の断定は時期尚早だ。 AI Overviews 単体のレポートは未提供であり、全体の KPI で傾向を見る運用が現実的である。
対象国・言語・フォーマットは頻繁に変わる。 Google 広告ヘルプや Ads & Commerce Blog の更新確認を定期業務に組み込んでおきたい。
AI Overviews 広告は、新しい広告枠を「買う」取り組みではない。既存の Google 広告運用を整備し、 AI 検索面への露出機会を最大化する取り組みだ。地味だが、その基盤が整っている広告主から順に恩恵を受ける構造になっている。
