Timothe AI(ティモシーAI)

AI コンテンツ作成の基本 - できること、できないこと、70点で出し続ける戦略

AI コンテンツ作成とは、生成 AI でコンテンツを作り、人の制作を助けるプロセス全体を指す。自社ブログを AI ドラフトで運用する筆者の実体験から、 AI に任せる工程と人が握る工程、 Google ペナルティの境界線、ハルシネーション対策、70点で出し続ける戦略までを解説する。

Ryosuke Suzuki (鈴木凌介)
約7,224文字約15分
AIコンテンツ作成の基本 - できること、できないこと、70点で出し続ける戦略
サマリー
  • AI コンテンツ作成とは、生成 AI でテキストや画像などのコンテンツを作り、人の制作を助けるプロセス全体を指す。速いのはリサーチ・構成・ドラフトで、事実確認と品質判断は人の仕事として残る
  • 筆者は自社ブログを AI ドラフトで運用している。 AI との対話30分の企画で2週間分のスケジュールが埋まり、以前は1本に2日かかっていた記事が、いまは1本あたり15分〜1時間の手直しで出続ける
  • 筆者の戦略は、70点の記事をトピッククラスターで設計した面に揃え、トピックオーソリティーを先に作り、公開後のデータを見てから磨く記事を選ぶこと
  • AI で書いたこと自体は Google のペナルティ対象ではない。対象は価値を足さない大量生成(scaled content abuse)で、生成 AI の回答を操作する行為もスパムに明記された
  • AI Overviews 向けの特別な最適化は不要、というのが Google の公式見解。クロールできるテキストと基本の SEO がそのまま効く
  • ハルシネーション対策の要は、リファレンス付きで書かせて、公開前に人がリンク先を開いて確かめること。リンクが実在することと主張が正しいことは別の問題になる

この記事のドラフトは、 AI が書いた。

筆者は Timothe AI というサービスを作りながら、自社ブログの記事制作を AI のパイプラインに載せている。キーワードの選定、リサーチ、構成、ドラフトまで自動で進み、最後に筆者が修正を加え公開する。この記事も例外ではない。

そのドラフトの日本語の質は酷かった。事実は合っている。構成も悪くない。しかし、人間の読む文章になっていなかった。筆者は結局、ほぼ全文を書き直した。

それでも筆者は、明日も AI で記事を作る。修正の手間を払ってなお、十分に割に合うからだ。この「割に合う」の中身、つまり何を AI に任せ、何を人が引き取り、どういう戦略なら量産がスパムにならないのかを、筆者の運用の実際から書いていく。

AI コンテンツ作成とは何か?

AI コンテンツ作成とは、生成 AI を使ってテキスト・画像・動画・音声などのコンテンツを作り出す、あるいは人の制作を助けるプロセス全体を指す。

中心にあるのは LLM( Large Language Model 、大規模言語モデル)だ。仕組みを一言で言えばパターン予測で、学習した膨大なテキストをもとに、プロンプトに応じてそれらしい文章や構造を高速に組み立てる。既知のパターンを再構成するのは速い。一方で、世に出ていない事実を検証することや、書き手だけの経験を生み出すことはできない。

だから AI の速さは、リサーチ・構成案・ドラフトという「パターンで進む工程」に集中して現れる。そして事実確認と品質の最終判断は、当面、人の仕事として残る。

参考:

AI に何を任せて、何を人が握るのか?

任せてよいのは反復とパターン(リサーチ、構成案、ドラフト)、人が握るのは判断と責任(検索意図、事実、独自性、公開の判断)だ。工程ごとに整理すると次のようになる。

工程AI に任せる人が握る
リサーチ・アイデア出し関連トピックの洗い出し、競合見出しの整理一次情報の取得、読者理解、優先順位
構成見出し案、各節の要約検索意図との合致、独自の切り口
ドラフトセクションごとのドラフト実体験・独自データの差し込み
仕上げ誤字脱字の修正、言い換え案事実確認、トーン、公開の判断
公開後リライト案の生成どの記事を磨くかの方針と責任

表の左右は、能力の差というより性質の差だ。 Ahrefs も、キーワード選定、検索意図の分析、独自視点の設計、と工程を分けたうえで、執筆は「一度に1セクションずつ」書かせることを勧めている。長文を一発で生成させるより、後の編集がずっと楽になる。筆者の運用も同じ形に落ち着いた。

リサーチでは一つだけ注意がいる。 AI チャット単体では、キーワードの検索ボリュームは正確に出ない。候補を広げるのは AI が得意でも、どのキーワードに需要があるかはKeyword Researchのような実データを引けるツールで確かめる必要がある。

参考:

どの AI モデルを使えばよいのか?

工程を分けたら、次はモデル選びだ。 LLM はどれも同じに見えて、得意分野がモデルごとにはっきり違う。調査が得意なモデルと、文章が得意なモデルは別物だと考えたほうがいい。

筆者の使い分けはこうだ。

  • 調査・リサーチ: Perplexity や Claude Code 、 Claude Cowork のような、ウェブや手元の資料を自分で探し回って調べてくれるタイプ
  • ライティング: Claude 系のモデル。筆者の体感では日本語の文章品質が頭一つ抜けていて、ドラフトの手直しが軽くなる

同じプロンプトでも、調査型のツールに書かせると根拠は揃うのに文章が硬く、ライティングの強いモデルに調査をさせると、それらしいのに浅い答えが返ってくる。工程ごとにモデルを替えるだけで、ドラフトの質は一段変わる。

モデル毎の得意不得意は頻繁に入れ替わる。LMArena のリーダーボードのようなサイトをチェックして、いまどのモデルが何に強いかを確かめると良い。

LMAreanのライティングでのリーダーボード: 2026年7月
LMAreanのライティングでのリーダーボード: 2026年7月

筆者は実際にどう作っているのか?

筆者の運用は「計画から生成まで AI 、手直しと公開判断は人」だ。この形で、これまでに20本あまりの記事を公開してきた。

使っているのは、グロースカレンダーというツールだ。 AI と対話しながら、キーワードの検索ボリュームをもとにトピックを発案させ、トピッククラスター( topic cluster 、関連記事のまとまり)を組ませ、どの記事をどんなスケジュールで生成、修正、公開していくかの計画まで立てさせる。あとは予定に従ってドラフトが生成されてくるので、筆者は手直しして公開するだけになる。この企画のやり取り自体は、30分ほどで終わる。それで2週間分の公開スケジュールが埋まり、毎日、どの記事を書くかを判断するコストが無くなる。

トピッククラスターを計画し、数カ月分の記事投稿パイプラインをカレンダーで管理している様子
トピッククラスターを計画し、数カ月分の記事投稿パイプラインをカレンダーで管理している様子

正直に言うと、記事1本の書く速さより効いているのはこちらだと筆者は思っている。コンテンツマーケティングが止まるのは、多くの場合、書くのが遅いからではない。「次に何を書くか」を毎回決め直すうちに、更新が途切れるからだ。企画をクラスター単位でまとめて済ませ、あとはスケジュールが記事を運んでくる形にすると、継続が意思の力ではなく仕組みで担保される。

以前は1本に2日かかっていた。リサーチに半日、執筆に1日、修正に半日という配分だ。いまは筆者の作業が1本あたり15分〜1時間の修正に圧縮され、1日に2〜3本出せる日もある。

修正の中で重要なのは、日本語の書き直しで、こちらが想像以上に重い。 AI のドラフトは、意味は正しいのに読めない。断定の形だけ整った文が延々と続き、どの段落も同じ調子で進む。冒頭に書いたとおり、この記事のドラフトがまさにそれだった。それでも、ゼロから2日かけて書くのと比べれば、圧倒的に割に合う。

なぜ「70点で出す」のか?

筆者の方針は、1本を100点まで磨いてから出すのではなく、70点の記事を面で揃えて トピックオーソリティー( topical authority 、特定のテーマを網羅的に扱うことで検索エンジンから得る「この領域に詳しいサイト」という評価)を先に作ることだ。

ここで言う「面」は、思いつくままキーワード記事を大量に作ることではない。先にトピッククラスターとして、そのテーマで読者が持つ問いの分布を描き、どの記事がどの問いを担当するかを決めてから書き始める。検索エンジンの評価はテーマ単位で効くから、内部リンクで束ねたクラスターは、1本の当たりが面全体の評価を押し上げてくれる。逆に、単発のキーワード記事をバラバラに量産すると、1本1本が孤立し、同じテーマの記事同士でクエリを取り合うことすら起きる。トピッククラスターを先に計画するだけで、この無駄は構造的に消える。

理屈は効率の話に尽きる。1本に2日かける作り方では、テーマのカバレッジを取るのに半年かかる。検索評価はテーマ単位で決まる部分が大きいから、その半年はほぼ無風のまま磨き続けることになる。どの記事が当たるかは、出す前にはわからないのにだ。

AI でドラフト作成の時間が消えると、この順番を裏返せる。まず領域を70点で取り、検索に入り、どの記事がどのクエリで表示され読まれているかのデータを見る。そのうえで、伸びる記事にだけ時間を投資して80点、90点へ上げていく。「磨いてから出す」を「出してから磨く」に変える。筆者にとって、これが構造的なブレークスルーだった。

正直に言えば、70点の記事を公開する時は、毎回ためらいがある。それでも出すのは、磨く価値のある記事がどれかを教えてくれるのが、公開後のデータだけだからだ。そして、この未完成なものを公開することの気持ち悪さにアービトラージがある。コンテンツ戦略全体の中でのこの位置づけは、AI コンテンツマーケティングの全体戦略にまとめている。

AI で作ったコンテンツは Google にペナルティを受けるのか?

受けない。 AI で書いたこと自体は、 Google のペナルティ対象ではない。対象になるのは、価値を足さずに検索順位目的でページを量産する行為だ。

Google のスパムポリシーは、大量生成されたコンテンツの不正使用 を「生成 AI ツールまたはその他の同様のツールを使用して、ユーザーにとっての価値を付加することなく大量のページを生成すること」と定義している。問われているのは生成の手段ではなく、価値の有無だ。人手による量産でも同じように違反になる。

これは宣言だけの話でもない。 Google は2024年3月のアップデートで、検索結果の低品質・非独自コンテンツを40%減らす見込みだと発表し、後に実績として45%減らしたと報告している。薄い量産ページは、実際に締め出されてきた。

では、70点で面を張る筆者の戦略は、この「量産」とどこが違うのか。境界線は3つある。各記事が固有の問いに答えていること(テンプレートの差し替えではない)。事実と出典が検証済みであること。内部リンクでサイト構造に組み込まれ、孤立したページを作らないこと。70点は深さの上限であって、価値がゼロという意味ではない。逆に、事実確認を省いた記事は、日本語がどれだけ綺麗でもスパムの側に落ちる。

参考:

特別なことはしなくていい、というのが Google の公式回答だ。公式ガイド「 AI 機能とウェブサイト」は、 AI による概要(AI Overviews)や AI モードにコンテンツが表示されるための追加の要件はなく、別途特別な最適化も必要ないと明言している。

やることは基本の SEO と重なる。クローラーがアクセスできること。重要な情報を画像やスクリプトの中に埋めず、テキストで提示すること。内部リンクと構造化データを正確に保つこと。 AI 向けに機械可読のファイルを新しく用意する必要もない、と同ガイドは付け加えている。

一方で、禁止側の定義は広がった。スパムポリシーには、検索ランキングの操作と並んで「 Google 検索の生成 AI の回答を操作しようとする行為」がスパムとして明記されている。2026年6月24日には約2日間のスパムアップデートも実施された。 AI 回答への露出だけを狙った不自然な最適化は、薄い量産と同じ扱いに向かっていると見ていい。

つまり、通常の検索順位にも AI 回答への引用にも効く共通解は、質問に直接答える正確なページを作ることに帰着する。 AI 検索最適化(GEO/AIO)の詳細は別記事で扱っている。

参考:

ハルシネーションはどう防ぐのか?

生成の段階で、文章にはリファレンスも含めて生成させ、公開の前に人がそのリファレンスをチェックする。この二段構えで、ハルシネーション( hallucination 、それらしく見える虚偽の生成)は実務上ほぼ抑え込める。

起きやすい場所は決まっている。統計の数値、引用文、固有名詞、日付、料金。要するに「断定的な事実」の周辺だ。

この記事のドラフトには、外部の出典リンクが8本あった。公開前に全部開いて確かめたところ、問題のあるリンクは1本もなかった。筆者はリファレンスのハルシネーションには遭遇していない。

ただし、安心できたのはそこまでだった。リンクは実在するのに、中身の解釈がズレていた箇所がある。ドラフトは Google の公式ガイドの内容を国内の解説記事を参考に要約していて、公式が「特別な最適化は不要」と書いている話が、ドラフトでは最適化の要件リストに化けていた。リンクが実在することと、主張が正しいことは、別の問題である。

この経験を経て、筆者の運用は3つに固まった。

  • 数値と引用には出典を必須にする
  • 「与えた資料の範囲で書き、知らないことは書かない」と明示的にプロンプトに含める
  • 公開前にリファレンスをチェックし、リンク先の主張と中身を確かめる

ツールがどれだけ進化しても確認作業は無くならない。

明日から小さく始めるにはどうすればよいか?

全工程の自動化から始めない。手元の ChatGPT や Claude で、1記事を工程に分けて作ってみるのが最短だ。

  1. キーワードを1つ決める。需要の確認だけはKeyword Researchのような検索ボリュームの実データを引けるツールで行う
  2. そのキーワードで実際に検索し、上位ページを見て検索意図を書き出す。構成案は AI に出させ、意図と合っているかを自分で判定する
  3. セクションごとにドラフトを書かせる。長文の一発生成はしない
  4. 数値・固有名詞・リファレンスを自分で開いて確かめる
  5. 日本語を自分のスタイルに修正して公開する

1本目から流入は期待しないほうがいい。面が揃うまで、検索流入は来ない。だから最初の4週間は、流入ではなく制作時間と本数だけを考える。1本あたりの制作時間が下がり始めたら、型ができてきた合図になる。

正直にいえば、筆者も最初の数本は AI なしより時間がかかった。プロンプトの型が固まるまでは、指示を書く時間が記事作成の時間を食う。そこを越えると、2日が1〜2時間になる。

もっと楽にはじめて継続的に運用をしたい場合は、筆者が活用しているグロースカレンダーを試すのもおすすめだ。ここまでの工程のうち、需要の調査からトピッククラスターの設計、スケジュールに沿ったドラフト生成までを引き受けてくれる。残るのは、修正と公開だけだ。

まとめ

AI コンテンツ作成の価値は、綺麗な文章が一瞬で手に入ることではない。ドラフトまでの時間が消えることで「磨いてから出す」を「出してから磨く」に裏返せること、そして企画がクラスター単位で済むことで、面を低コストで出し続けられることだ。70点で面を張り、トピックオーソリティーを先に作り、公開後のデータで磨く先を選ぶ。

この記事も、 AI のドラフトのままなら、たぶん最後まで読まれなかった。書き直しにかけたのは1時間弱だ。その1時間を払う価値があるかどうかは、あなたのサイトに「70点でも先に面を張るべきテーマ」があるかどうかで決まる。それはどこか。決まれば、最初の1本は今日のうちに出せる。

よくある質問

AI コンテンツ作成におすすめのツールは何か?

1つに統一する必要はない。文章のドラフトと編集は ChatGPT ・ Claude ・ Gemini 。リサーチはウェブ検索ができる AI(ChatGPT の検索機能や Perplexity など)。キーワードの需要確認はKeyword Researchのような検索ボリュームの実データを引けるツール。工程ごとに得意なものを使い分け、どのツールでも出力は人が確認してから公開する。モデルごとの得意分野はどの AI モデルを使えばよいのかにまとめた。

「70点で出す」は手抜き記事の量産と何が違うのか?

70点なのは深さと磨きで、事実の正確さと検索意図への回答は落とさない。各記事が固有の問いに答え、出典が検証済みで、内部リンクに組み込まれていれば、Google が定義する scaled content abuse(価値を付加しない大量生成)には当たらない。逆に、事実確認を省いた時点で、本数に関係なくスパムの側に落ちる。

AI Overviews に引用されるには何が必要か?

特別な最適化は不要、というのが Google の公式見解だ。クローラーが読めるテキストで質問に直接答え、基本の SEO(内部リンク、構造化データ、ページエクスペリエンス)を保つ。詳しくはAI 検索の節を参照。

公開前のチェックリストは何を確認すればよいか?

筆者が毎回確認しているのは次の5点だ。

  • 数値・固有名詞・引用を出典と突き合わせた
  • 出典リンクを実際に開き、主張と中身が一致している
  • 実体験か独自データを最低1つ足した
  • 内部リンクを張り、孤立ページにしていない
  • 見出しの問いに、そのセクション冒頭の一文で答えている

プロンプトには何を書けばよいか?

役割(誰として書くか)、読者(誰のどんな状況向けか)、検索意図(何に答えるか)、制約(使ってよい事実の範囲と「知らないことは書かない」)、出力形式(見出し構造と分量)の5点。特に効くのは制約で、ハルシネーション対策の第一歩になる。

著者

Unbounded Pioneering株式会社
Timothe AI

ティモシーAIツールは、「Timothe AI」を提供する Unbounded Pioneering株式会社が開発・運営する無料ツール群です。

鈴木 凌介 (Ryosuke Suzuki)
鈴木 凌介 (Ryosuke Suzuki)創業者・代表取締役

「Timothe AI」を提供する Unbounded Pioneering株式会社の創業者・代表取締役。機械学習・AIプロダクト開発のエキスパート。大学在学中は研究室にて機械学習の研究に従事。その後、株式会社プレイド・楽天・リクルートにおいて、ソフトウェアエンジニアとして大規模プロダクトの設計・開発を手がけるとともに、新規事業開発を推進。現在は生成AI・AIプロダクト領域を専門とし、エンジニアリングと事業開発の両面から一貫してプロダクト開発に携わる。ウェブ技術領域における複数の特許を発明。

特許発明者(特許第6887648号・特許第7480958号)・Timothe AI関連技術で特許出願中