ChatGPT 広告の出稿方法 - 代理店経由とセルフサーブの2つのルート
ChatGPT 広告の出稿方法をセルフサーブと代理店経由の2ルートに分けて解説。 Ads Manager の登録手順、コンテキストヒントの書き方、代理店利用時の注意点まで網羅した。

ChatGPT 広告の出稿ルートは「 OpenAI Ads Manager Beta によるセルフサーブ」と「代理店・パートナー経由」の2つである。日本は Ads Manager の提供対象国に含まれており、広告主自身がセルフサーブで登録・出稿できる。代理店経由の場合でも、広告アカウントは広告主側が作成し、代理店をメンバーとして招待する形が現行の基本だ。
以下の情報は2026年8月12日時点の OpenAI 公式ヘルプおよび各社プレスリリースに基づく。 ChatGPT 広告はベータ段階であり、仕様は今後変わり得る。
出稿に必要な前提条件
セルフサーブ・代理店経由を問わず、以下の準備が共通して求められる。広告アカウント作成時に設定した国・通貨・タイムゾーンは後から変更できないため、法人名義や請求先を事前に確定させておくことが重要だ。
- OpenAI アカウント(既存アカウントで可)
- 仕事用メールアドレス
- 事業者ウェブサイト(有効な URL )
- 事業者ロゴ
- 業種情報
- クレジットカード(後払い方式の請求先)
- OpenAI の広告ポリシーへの適合
- ランディングページが OAI-AdsBot をブロックしていないこと
出典:OpenAI Help Center 「 Ads Manager Beta Account Setup 」
ChatGPT 広告は日本でどこまで使えるのか|提供状況・ローンチパートナー・対象プランを解説で、日本での提供状況と対象プランを詳しく扱っている。
ChatGPT 広告の出稿方法は2つある
広告主が選べるルートは、 Ads Manager Beta を使うセルフサーブと、代理店・テクノロジーパートナーへ運用を依頼する経路の2つだ。どちらを選んでも、広告配信の判断は OpenAI 側のシステムが行う。代理店やパートナーは予算設定・入札・クリエイティブ制作を支援する立場であり、配信アルゴリズムを直接操作するわけではない(OpenAI 「 New ways to buy ChatGPT ads 」)。
アカウントの所有者は常に広告主側である点が共通する。運用の負担をどこまで自社で持つかが選択の分かれ目だ。
セルフサーブで出稿する手順(ステップバイステップ)
全体の流れは「登録 → 認証 → 請求設定 → キャンペーン作成 → 広告グループ・ヒント設定 → 広告入稿 → 審査・配信・計測」の7段階である。

ステップ1 - Ads Manager Beta にアクセスして登録する
OpenAI 広告主ページの「 Start now 」から、Ads Manager 登録画面へ進む。既存の OpenAI アカウントでログインし、以下を入力する。
- 事業者名
- ウェブサイト URL
- 業種
- 国:日本
- 通貨:JPY
- タイムゾーン:Asia/Tokyo
国・通貨・タイムゾーンは作成後に変更できない。テスト目的で別の国や通貨を選ぶと、本番運用時に作り直すことになる。
ChatGPT Ads Manager の使い方|アカウント開設から出稿までの手順では、管理画面の操作をさらに詳しく解説している。

ステップ2 - Persona によるビジネス認証を完了する
アカウント作成後、本人確認とビジネス認証のステップへ進む。認証は OpenAI が利用する Persona のシステムを通じて行われ、事業者情報の審査が含まれる。認証が完了するまでキャンペーンの作成や広告配信はできない。
審査にかかる日数は公式に明示されていない。書類や情報に不備がなければ数営業日程度で完了するケースが多いとみられるが、不備があれば OpenAI から追加情報を求められる場合がある。
出典:OpenAI Help Center 「 Ads Manager Beta Account Setup 」
ステップ3 - 請求プロファイルとクレジットカードを登録する
ChatGPT 広告の請求は後払い方式である。広告が配信されるにつれて未払い金額が蓄積し、アカウントごとの payment threshold (請求しきい値)に到達するとクレジットカードへ請求される。月末時点で未払い残高があれば、しきい値に達していなくても請求される場合がある。
登録する情報は以下のとおりだ。
- 請求先住所
- 請求書送付用メールアドレス
- クレジットカード情報
なお、 OpenAI は現時点で ChatGPT Ads 請求書に日本の消費税を課していないと説明している(OpenAI Help Center 「 Billing & Payment 」)。ただし税務上の取り扱いは今後変更される可能性がある。国境を越えたデジタル広告の消費税処理は複雑なため、経理部門や税理士への確認を推奨する。
ステップ4 - キャンペーンを作成する
キャンペーンは3階層で構成される。
キャンペーン作成時にまず設定するのは目的と予算だ。
日本のキャンペーン最低日次予算は2,500円である(OpenAI Help Center 「 ChatGPT 用のキャンペーンを作成する」)。日次予算とは別にキャンペーン総予算も設定でき、開始日・終了日・ターゲット国をここで指定する。
oCPC について補足しておく。これはコンバージョンごとに課金される CPA 方式ではなく、コンバージョンにつながりやすいクリックを優先して配信する最適化方式だ。請求はあくまでクリック単位で発生する。
ステップ5 - 広告グループとコンテキストヒントを設定する
コンテキストヒントは、 ChatGPT 広告のターゲティングの核となる仕組みだ。従来の検索広告のようにキーワードを完全一致で指定するのではなく、広告が関連し得る会話のテーマ・ユーザーの課題を自然言語で記述する。
では「自然言語で書く」とは具体的にどういうことか。法人向け勤怠管理サービスを例に比較する。
悪い例(単語の羅列):
勤怠管理 SaaS クラウド
良い例(会話シナリオの記述):
従業員数が増え、 Excel や紙での勤怠集計に限界を感じている人が、クラウド勤怠管理サービスを比較している会話
複数拠点のシフト管理や残業時間の集計を効率化する方法を相談している会話
※上記は公式の入力例ではなく、コンテキストヒントの考え方を示すための編集部作成例である。
異なる商品、利用場面、顧客課題は広告グループを分けることが推奨されている。同じ広告グループ内の広告とコンテキストヒントのテーマは揃えるのが基本だ(OpenAI Help Center 「 Create Ad Groups for ChatGPT Ads 」)。
従来のキーワード設計に慣れた運用者ほど、単語の羅列に寄せてしまいがちだ。「ユーザーがどんな悩みを ChatGPT に相談しているか」を想像し、その場面をフレーズで描写するのがコツである。

ステップ6 - 広告クリエイティブと LP を入稿する
広告クリエイティブとして入稿するのは、タイトル、説明文、画像、ランディングページ URL だ。 OpenAI の公式ガイド(Create Ads for ChatGPT Ads)では以下を推奨している。
- タイトルで商品・サービスの価値を明確に伝える
- 説明文はタイトルの繰り返しではなく、追加情報を提供する
- 画像は広告文・ LP の訴求と一致させる
- LP URL はトップページではなく、広告の訴求に合った商品ページやサービスページへ遷移させる
- LP URL に UTM パラメータを付与して流入元を計測可能にする
- 異なるタイトル・説明文の組み合わせで複数バリエーションを用意する
LP が OAI-AdsBot をブロックしていると、広告審査に通らない可能性がある。 robots.txt の設定を事前に確認しておくこと。
ステップ7 - 審査通過後に配信を確認し、計測を開始する
広告を入稿すると、 OpenAI による広告審査が行われる。審査を通過するとステータスが「 Serving 」に変わり、配信が始まる。通らなかった場合は「 Not serving 」のままとなり、理由を確認して修正・再提出する。
Ads Manager で確認できる主な指標は以下のとおりだ。
- インプレッション
- クリック
- 消化金額
- CTR
- 平均 CPC
- 平均 CPM
- コンバージョン(計測設定時)
コンバージョン計測を行うには、JavaScript PixelまたはConversions APIを設定する。購入、リード獲得、会員登録など、広告クリック後のアクションをトラッキングできる(OpenAI 「 New ways to buy ChatGPT ads 」、開発者ドキュメント)。
Pixel は LP への JavaScript タグ埋め込みで動作し、 Conversions API はサーバーサイドでイベントを送信する方式だ。 Ads Manager 上でコンバージョンイベントを定義し、対応する Pixel または API 設定を完了させれば、 oCPC キャンペーンの最適化にも活用できる。
代理店経由で出稿する手順
ステップ1 - 商材・目的・予算を整理して代理店へ相談する
代理店に相談する前に、以下を整理しておくとやり取りが円滑になる。
- 配信対象国(日本のみか、他国も含むか)
- 目的(認知拡大、トラフィック獲得、コンバージョン最適化)
- 月額の広告予算の目安
- クリエイティブ素材の有無
- コンバージョン計測の要件
日本国内のローンチパートナーとしては、電通デジタル、Hakuhodo DY ONE、サイバーエージェントの3社が2026年6月に発表されている。グローバルでは Dentsu 、 Omnicom 、 Publicis 、 WPP が代理店パートナー、 Adobe 、 Criteo 、 Kargo 、 Pacvue 、 StackAdapt がテクノロジーパートナーとして挙げられている(OpenAI 「 New ways to buy ChatGPT ads 」)。
上記3社が「唯一の出稿先」や「すべての OpenAI 公認代理店の一覧」というわけではない。日本のローンチパートナーの詳細はChatGPT 広告は日本でどこまで使えるのか|提供状況・ローンチパートナー・対象プランを解説を参照してほしい。
ステップ2 - 広告主側で Ads Manager アカウントを作成し、代理店を招待する
ここが見落とされやすいポイントだ。現行の Ads Manager には、 Google 広告の MCC (マイクライアントセンター)や Meta Business Manager のように代理店側が広告主のアカウントを代理作成・所有する仕組みが確認されていない。広告主がアカウントオーナーとしてアカウントを作成し、代理店担当者をメンバーとして招待するのが基本である(OpenAI Help Center 「 Ads Manager Beta Account Setup 」、アナグラム)。
つまり、代理店に「すべてお任せ」するつもりでも、アカウント作成・ Persona による認証・請求設定までは広告主側で操作が必要になる。
ChatGPT Ads Manager の使い方|アカウント開設から出稿までの手順で、メンバー招待の手順を詳しく解説している。
ステップ3 - キャンペーン設計・入稿・配信・レポート
アカウントへの招待が完了したら、代理店と協力してキャンペーン構造、コンテキストヒント、クリエイティブ、 LP を設計し、審査・配信・レポートを進める。
注意すべき点が2つある。
- 代理店手数料は OpenAI の公式料金ではない。 手数料体系は代理店ごとに異なるため、契約時に確認する。
- アカウント所有権とデータの帰属を事前に取り決めておく。 代理店との契約を終了した後に広告アカウントやレポートデータへアクセスできるかは、事前の合意が欠かせない。現行の仕組みではアカウントオーナーは広告主側であり、メンバーの削除で権限を切り替えられる。ただし運用データの共有範囲についても合意しておくとよい。
セルフサーブと代理店、どちらを選ぶべきか
判断基準は「社内に ChatGPT 広告を運用できるリソースがあるか」に集約される。ただ、その一言で片付けるには考慮点が多い。
セルフサーブが向いているケース:
- 社内にデジタル広告の運用担当がいる
- 少額(日次2,500円〜)から自社で検証したい
- アカウント・請求・データを自社管理したい
- コンテキストヒントやクリエイティブを素早く試行錯誤できる体制がある
代理店経由が向いているケース:
- ChatGPT 広告のような新媒体の運用ノウハウが社内にない
- 広告ポリシーへの適合や業種審査に不安がある
- クリエイティブ制作、計測設定、レポーティングまで一括で委託したい
- 複数の広告目的・地域・広告グループを同時運用する予定がある
コンテキストヒントの品質が成果を大きく左右する。従来のキーワード選定とは発想が異なるため、会話場面の記述に自信がなければ代理店の知見を活用する価値は十分ある。一方で、自社の顧客課題を最も深く理解しているのは広告主自身だ。両者を併用し、初期は代理店と協力しながら学び、徐々にセルフサーブ中心へ移行する進め方も現実的だろう。
出稿前チェックリスト
配信開始前に以下を一通り確認しておくと、初動のトラブルを減らせる。
- [ ] 日本が Ads Manager 提供対象国に含まれているか(OpenAI Help Center 「 Ads Manager Availability 」で最新を確認)
- [ ] 広告アカウントの国・通貨( JPY )・タイムゾーン( Asia/Tokyo )に誤りがないか
- [ ] 自社の商材・業種がOpenAI Ad Policiesに適合しているか
- [ ] 請求先情報とクレジットカードが正しく登録されているか
- [ ] キャンペーン目的( CPM / CPC / oCPC )が決まっているか
- [ ] コンテキストヒントを「会話シナリオ」として準備したか
- [ ] 広告文と LP の訴求内容が一致しているか
- [ ] LP が OAI-AdsBot をブロックしていないか
- [ ] JavaScript Pixel または Conversions API の設定を完了したか(コンバージョン計測が必要な場合)
- [ ] 配信後に追う KPI (インプレッション、クリック、 CTR 、コンバージョン等)を決めたか
- [ ] 代理店利用時:アカウント所有権とデータ帰属を契約で確認したか
すべてにチェックが入れば、配信開始の準備は整っている。
配信されないときの確認ポイント
キャンペーンを公開したのに広告が配信されない。ベータ段階のプラットフォームだけに焦りやすいが、原因の多くは設定ミスだ。
広告が「 Not serving 」のまま理由が不明な場合は、 Ads Manager 内のステータス表示を確認する。却下理由が記載されていることがあるため、まずそこを見て、ポリシー違反であれば広告文・画像・ LP を修正のうえ再提出する。
出典:OpenAI Help Center 「 ChatGPT での広告」、OpenAI 「 Testing ads in ChatGPT 」
FAQ
ChatGPT 広告は無料で出稿できるか
無料では出稿できない。広告費は後払い方式でクレジットカードに請求される。日本のキャンペーン最低日次予算は2,500円だ(OpenAI Help Center 「 Billing & Payment 」)。代理店を利用する場合は、広告費とは別に代理店手数料が発生することがある。
ChatGPT 広告に出稿すると ChatGPT の回答で自社が推奨されやすくなるか
ならない。広告は ChatGPT の回答本体とは視覚的に区別された「 Sponsored 」カードとして回答下部に表示される。広告が回答内容に影響を与えることはないと OpenAI は明言している(OpenAI 「 Testing ads in ChatGPT 」)。
ChatGPT 広告は Plus や Pro ユーザーにも表示されるか
表示されない。広告が表示されるのは Free プランと Go プランのログイン済み成人ユーザーのみだ。 Plus 、 Pro 、 Business 、 Enterprise 、 Edu プランのユーザーや、18歳未満と判定されたアカウント、一時チャットには表示されない(OpenAI Help Center 「 ChatGPT での広告」)。対象プランの詳細も参照してほしい。
ChatGPT 広告の課金方式は CPC と CPM のどちらか
Ads Manager 上では CPM (インプレッション課金)、 CPC (クリック課金)、 oCPC (コンバージョン最適化クリック課金)を選択できる。認知拡大が目的なら CPM 、トラフィック獲得なら CPC 、コンバージョン最適化なら oCPC と、キャンペーン目的に応じて使い分ける(OpenAI Help Center 「 ChatGPT 用のキャンペーンを作成する」)。
出稿できない業種はあるか
政治、ギャンブル、アルコール・たばこ、成人向けコンテンツ、誤認を招く広告などは制限または禁止されている。金融サービス、ヘルスケア、法律サービスは承認済み広告主に限り、ケースごとの審査で認められる場合がある。初期テスト段階では、生活用品、ローカルサービス、旅行・体験、デジタル製品、教育などの消費者向けカテゴリが中心だ(OpenAI 「 Ad policies 」)。自社の商材が対象に含まれるか判断しにくい場合は、出稿前にポリシーページを確認するか、代理店に相談するのが確実だ。
